ハマるな危険! ドイツPreiser社の世界

趣味は多いほうがいいとよく言うが、その背後には大きなリスクをはらんでいることもしっかりと承知してなくてはならない。趣味は、時間も使うし、お金も使う、果てには自分のすべてを捧げることになる。そのことによって、会社を首になったり、恋人と別れたり、家から一歩も出なくなったりする人もいるかもしれない。趣味の楽しさの裏側にはそんな危険もはらんでいるということだ。


前置きはこのへんにして、今自分が踏み込むべきか、留まるべきか、悩んでいる世界がある。ハンズ巡礼と称し週に2回くらい通っているハンズ渋谷店の7Bの模型売場で出逢ったドイツPreiser社の人物模型の世界だ。ハンズでその世界観に触れた瞬間に惹きこまれた。

その小さな人物模型はとても精巧によくできている。種類もビジネスマン風や、科学者、海水浴客、サッカー選手、作業員、おばあさん、子供となんでもある。その凄さは人物単体で見るのではなく、駅のホームのワンシーンやヌーディストビーチの若者、オープンカフェでお茶するお客たちや、土木作業をする工員たち、銀行強盗のワンシーンや電話ボックスを待つ人々など、何体かの人形と物(道具・椅子・車など)の組み合わせで作られるシュチュエーションのドラマ性にある。どういう人が買うんだろう?と思わせるマニアックなシーンがたくさんある。人形と同じスケールで作られている小道具なんかも怖いくらいに凄い。

さすがドイツ製ということもあって車もすごくよく出来ている。


売り場の専門スタッフに尋ねてみると、主な需要は、鉄道模型の愛好家の人たちと、建築家の模型製作に必要とされているらしい。同カテゴリーのブランドは、世界でほぼこのPreiser一社だけしかないんだという。


さて、この世界、踏み込むべきか、留まるべきか.....


ウェブでもチェックできるけれど、できれば実物を見に行ってもらいたい。あの小さなスケール感の中から広がる無限のドラマ性を感じて欲しい。渋谷だったらハンズ7Bだ。


PreiserをGoogleで画像検索する。



hirock

アパレルブランド「A BATHING APE®」のグラフィックデザインを経て2011年独立。表現の場を選ばないメディアクリエイターとしてのキャリアをスタート。ファッション誌GRINDでの連載をはじめメディア各方面にてグッドデザインアイテム、最新のガジェットを紹介。著書に『I LOVE FND ボクがコレを選ぶ理由』。

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