新しいコーヒーの世界

そんなこんなでエスプレッソの世界に足を踏み入れた。ハンドドリップこそコーヒー抽出の極みであり、シンプルで奥が深いと思っていたが、まったくそうでは無かった。エスプレッソは、ハンドドリップの面白さとはまた違う新しいコーヒーの世界を見せてくれた。フィルタにコーヒーの粉をセットしてマシンのスイッチを押してからの抽出時間はわずか30秒足らず。小さな小さなエスプレッソカップ一杯のコーヒー(ほんの数口)のためにバカでかい機械で圧力を掛けて抽出する。ひとくちの最高のエスプレッソを求めて、出来ることすべてを調整し、極めていかなければならない。たったひとくちのために。なんてバカバカしくて最高の趣味なんだ。


ただし唯一の欠点は、ハンドドリップと違ってお金がかかること。エスプレッソマシンと豆を極細に削るための専用のグラインダーが必要。安価な家庭用も存在するが、ある程度のかっこよさと最低限の性能を求めると、どうしても20万くらいは掛かってしまう。上を見始めればキリがない世界で、業務用レベルでは数百万もする。テクニックももちろん大切ではあるが、まず最低限のクオリティーはマシンに依存するとこが大きい。


僕が導入したのはアスカソのドリームというマシン

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グラインダーは、MAZZER MINIと悩んでマルゾッコのLux Dに最終的に(選べなかったのでコインの裏表で決めた)落ち着いた。


今では、朝一杯、午後一杯のエスプレッソをイタリア人になったつもりで楽しんでいる。時には、ラテやマキアート、カプチーノを味わってもいいだろう。この記事を読んで一人でも多くの人が新しいコーヒーの世界の扉を開けてくれたら幸いだ。そしてエスプレッソの話題を共有できる人が増えてくれたら最高だ。



hirock

アパレルブランド「A BATHING APE®」のグラフィックデザインを経て2011年独立。表現の場を選ばないメディアクリエイターとしてのキャリアをスタート。ファッション誌GRINDでの連載をはじめメディア各方面にてグッドデザインアイテム、最新のガジェットを紹介。著書に『I LOVE FND ボクがコレを選ぶ理由』。

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