ダイソー情報カード

少し前のMONOQLOの連載で僕の仕事に欠かせないアイテム15点を紹介した。そのどれもが愛すべきプロダクトであり、ここ15年くらいの歳月を掛けて厳選した現在の究極の道具たちだ。全体像はその連載ページをチェックしてもらうとして、その中から特に欠かせないメモ帳を紹介する。実際は製本されていない一枚ずつの紙なので、メモ紙、もしくはメモカードと言ったほうが正しい。商品名はダイソーの「情報カード」。いくつかタイプがある中で僕が使っているのは、罫線付きのもの。


僕はここHIVISIONでも書いているとおりメモが大好きだ。紙を中心にデジタル、音声録音も含めてあらゆるメモを利用し、使い分けている。いくつかのプロジェクトを進行する中で全体の把握は大きなスケジュール帳で行い、実際に毎日行っていく仕事はとにかく細分化して、一日のTODOに落とし込む。そこで使うのがこの「情報カード」。寝る前にすべてのTODOを書き出して、朝起きて、さらに細分化の見直しや統合などさらに精度を上げる。そのTODOリストにしたがって行動し、終われば単純にその項目に線を引っ張っていく。この達成感が、モチベーションとなって、次のタスクへと向かわせる。この情報カードを使う理由は、大きく分けて2つ。コピー用紙のようにペラペラではなくて、わりとしっかりしているところ。持った感じは名刺くらいの感覚で、紙というよりもその名の通りカードという感じ。もうひとつの理由は、コストの安さ。100枚入り100円、つまり一枚一円。その心理的安心感から、大胆に贅沢に使うことができる。必要に応じて、何枚でも、何回でも書き直しが出来て、終われば躊躇なくポイッと捨てられる。常に変化するTODOに何のストレスもなく対応することができる。TODOだけでなく、ふと浮かんだ断片的なアイデアを書き留めておくのにも便利なのだ。


そしてこのカードを同じくダイソーで売られているインデックス型の透明ファイルに入れて持ち歩く。5部屋に別れているので、内容の違うカードを部屋ごとに分けて収納している。自分の中のルールは、このカードを5枚以上にはしないこと。混乱を避けることと、あまりにTODOやアイデアのメモがあると、ストレスになって脳がやる気を損ねるからだ。


この一枚一円のカードによって、ここHIVISIONの運営も含め、デザイン業のすべてのプロジェクトを進行している。



hirock

アパレルブランド「A BATHING APE®」のグラフィックデザインを経て2011年独立。表現の場を選ばないメディアクリエイターとしてのキャリアをスタート。ファッション誌GRINDでの連載をはじめメディア各方面にてグッドデザインアイテム、最新のガジェットを紹介。著書に『I LOVE FND ボクがコレを選ぶ理由』。

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