かせきさいだぁ：‘95年にインディーズ盤『かせきさいだぁ』、翌年メジャー盤『かせきさいだぁ』を発表。音楽以外でも4コマ漫画『ハグトン』を’01年から描き続け、今ではハグトンを題材にしたアート活動にまで表現の場を拡げている。 ‘11年、2ndアルバムリリースから13年ぶりとなる待望の3rdアルバム『SOUND BURGER PLANET』、‘12年9月には矢継ぎ早に4thアルバム『ミスターシティポップ』をリリース。‘13年８月には全曲アニソンカバーアルバム『かせきさいだぁのアニソング!! バケイション!』をリリースと精力的に活動中。 現在4年振りのオリジナルアルバムをレコーディング中！
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JUN WATANABE：クリエイティブディレクター／グラフィックデザイナー。ファッション、スニーカーなど中心に国内外の様々な企業・ブランドとコラボレーションを行なっている。'13年、これまでの仕事を集めた作品集「Display case by JUN WATANABE」を発行。毎年アートエキシビションも定期的に行うなど精力的に活動している。また模型メーカー「タミヤ」とのアパレルに特化したコラボレーションライン「TAMIYA by JUN WATANABE」を展開し、話題を集めている。
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vol.3：「ナムコ、バンダイの話」
JUN WATANABE（以下、JUN）：さいだぁさんって、桑沢（デザイン研究所）だったんですよね。専攻は洋服ですか？
かせきさいだぁ（以下、さいだぁ）：ドレスデザインです。当時は、エイプのようなストリートファッションがない時代だから、就職するならデザイナーズブランドでしたね。「ジャケットかぁ……」って感じでしたけど。
JUN：卒業後はどうされたんですか？
さいだぁ：ファミ通のナムコの広告にあったお客様センターに電話して、「入りたいんですけど」って（笑）。
JUN：え、ナムコですか？
さいだぁ：はい。そしたら「人事部の電話番号教えます」っていわれて。それで人事部に電話して、ナムコで働くことになりました。
JUN：ええ、全然しらなかったです。
さいだぁ：ナムコでテレビゲームの絵ばかり、5年ぐらい描いてましたね。
JUN：実はナムコ、めっちゃ好きなんです！
さいだぁ：わかります。ナムコ、サイコーですよね。
JUN：当時、ナムコだけは特別感がありました。
さいだぁ：そうなんです。ナムコは特別でしたね。ああ、やっぱり。
JUN：パッケージもかっこいいし、サウンドも。
さいだぁ：そうそう。スペースインベイダーやドンキーコングも驚きましたけど、パックマンとギャラクシアンは別格。他のメーカーにはないシャレ感があるというか……。アメリカを意識してましたよね？
JUN：してたと思います。パックマンの絵とか、いま見ても、すごくポップですし。ドット絵もいいけど、パッケージの絵がとにかくかっこいい。
さいだぁ：そうそう。
JUN：あの頃って、画面で使える色数に制限があるじゃないですか。それなのに、ナムコには「ナムコ色」がありましたからね。デザインがいちいちかっこいい。
さいだぁ：小学生ながらに「この会社は何かが違う！」って感じですよね。遊んで面白いのは任天堂かもしれないけど、ナムコの世界観というか、ゼビウスもすごかった。
※（JUN氏私物の1991年発行「THEナムコブック」。キャラデザイン、パッケージイラストなど当時のいわゆるナムコの魅力がこの一冊にぎっしり詰まっているらしい）
JUN：お話してて思ったんですが、さいだぁさんって最近のカルチャーとか、ゲームとかって好きだったりするんですか？
さいだぁ：アイドルの歌詞を書くことがあるので、アイドル文化は多少知っていると思います。でも、詳しいというか、その周辺をぼんやりと見てる感じ。JUNくんは、新しいゲームとかやります？
JUN：ぼくはかなりゲームが好きなので、新旧問わずにやりますね。でもコントローラーを手に持つやつ。スマホゲームはいっさいしないんですよ。
さいだぁ：ぼくもスマホゲームはやらないですね。最近はファミコンばかりやってますから。
JUN：あ、ミニですか？
さいだぁ：いや、ミニじゃないやつ。本当はミニが欲しかったんですが、よく考えてみたら「俺、ファミコン持ってるじゃん」って（笑）。最近は「カラテカ」ばかりやってます。
JUN：ナムコに在籍してたときって、どんなソフトをつくってたんですか？
さいだぁ：ファミスタですね。
JUN：ファミスタを、描いてた？
さいだぁ：ですね。ファミスタの画面に出てくるドット絵を。
JUN：ファミスタのドット絵。すごい経歴だなぁ……。普段はどんな映画を観たりするんですか？
さいだぁ：基本、SFが多いかなぁ。
JUN：ぼくもSFは好きです。特にスターウォーズが。
さいだぁ：ぼくの子供もスターウォーズばかり見てますよ。まだ1歳9か月ですが。
JUN：早い（笑）。
さいだぁ：なぜかR2-D2が好きで、とにかくそれが見たいみたいで。エピソード４と６にR2-D2がよく出てくるから、そればっかり見せてます。そういえば、SNSで見たんですけど、R2-D2のゴミ箱使ってましたよね？ ちょっと汚し加工したやつ。
JUN：そうなんです。昔からああいう量産モノにひと手間加えるのが好きで。「本当はこうしたかったんだろうなぁ」という意図を汲んであげるというか。例えば、いまのガンダムのプラモデルって角が尖がってないって知ってました？
さいだぁ：それは安全のため？
JUN：そうなんです。けがすると危ないから。でも、そうするとガンダムっぽくなくて、すごく不格好。だから、自分でヤスリをかけて尖らせたりするんですよ。
さいだぁ：新しいものってほとんどつくらないですね。ぼくがつくるプラモ、ほとんどが古いものだから。
JUN：MSV（モビルスーツバリエーション）とか？
さいだぁ：ガンプラじゃなくて、ウルトラホークス3号とか。下にゼンマイがついているような。
JUN：デッドストックものですか？
さいだぁ：いや、ときどき売ってるみたいですよ。バンダイだから、ときどき復刻させてはアソートにして箱で出荷してるのかも。
JUN：そういう売り方があるんですね。
さいだぁ：本当かどうかわかりませんが、昔、バンダイでガンダムを注文すると、1個単体じゃなくて「アソートされた箱」が届くっていう。
JUN：そういうシステムなんですか？
さいだぁ：噂ですけどね。ガンダムを注文すると、大きな段ボールが届くみたいで、その中にガンダムはちょっとしか入ってなくて、あとはザクや他のモビルスーツがぎっしり（笑）。
JUN：まさにガンダムの生態系じゃないですか（笑）。
さいだぁ：いまはわからないけど、昔はセットでしか頼めなかったらしいですよ。そういえば、昔のプラモ屋ってかっこいいのとダサいのをセットで売ってましたし。
JUN：売れない商品をプラモ屋が注文するとも思えないですしね。
さいだぁ：そうですよね。というか、気づいたらまたプラモ話（笑）。
JUN：ホントだ（笑）。
（終わり）
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