機能美に満ちたアノニマスデザインを日常の中にどう取り入れるか

究極のアノニマスデザインといえる実験器具。


世界中のデザイナーがその名とともに数々のデザインプロダクトを生み出していく一方で、アノニマス(Anonymus=無名の・匿名の)なデザインが存在する。実験器具や野球のバット、スコップ、ジーンズの原型のような、機能のためだけに存在するデザインと言い換えることもできる。生前に柳宗理さんもしきりにアノニマスデザインの重要性を訴えていたし、コラムの中で、イームズ夫妻が客人をもてなす角砂糖の器に実験の蒸発皿を用いていたことを書いていた。


僕もその思想には激しく共感していて、僕のモノ選びの中にもどっしりと腰を下ろしている。もちろん監督で映画を探すように、デザイナーでプロダクトを探すようなこともあるけれど、なるべく作者の先入観はもたずに普遍的なモノ選びをするようにこころがけている。


たとえば、プロデュースしている渋谷のリルリールカフェでは、楊枝入れに50mlの小さなビーカーを使っていたり、アメリカの薬局でもらえるピルケースを小物いれに使っていたり、キャンプのときのコーヒーサーバーには、料理用のガラスの計量カップを使ったりしている。


機能美に満ちたアノニマスデザインを日常の中にどう取り入れるかと考えを巡らせるのはとても楽しい作業だ。


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hirock

アパレルブランド「A BATHING APE®」のグラフィックデザインを経て2011年独立。表現の場を選ばないメディアクリエイターとしてのキャリアをスタート。ファッション誌GRINDでの連載をはじめメディア各方面にてグッドデザインアイテム、最新のガジェットを紹介。著書に『I LOVE FND ボクがコレを選ぶ理由』。

https://twitter.com/h_vb