かまどさん電気

我々日本人は古来からどこの国よりも美味く米を炊き食べてきた。直火のかまどで炊く米が一番うまいとわかっていながらも「便利」を求める時代が電気炊飯器を生み出した。現在でもその進化は続き、直火、土鍋に近づけるべく、あの手、この手を模索し続けてきた。今僕が一番注目している電気炊飯器がこの「かまどさん電気」だ。見るからにして、上半分がそのまんま土鍋になっているハイブリッド感がたまらない。土鍋には累計80万個を売った大ヒット商品、長谷園のごはん鍋「かまどさん」が使われているという。まだ発売前なので実際のところ本当の成果はわからないが、この記事が意図することは、例えば、有機ELパネルの紙芝居だったり、ビンテージカーに電気エンジンを搭載することであったり、この炊飯器のように、残すべきものは残して必要な部分だけ進化させる新旧織り交ぜたハイブリッドな考え方に注目して欲しいということだ。ここHIVISIONではいち早く最新のものを紹介しているが、僕の生活の中では、ほうきやぞうきん、どなべ、輪ゴム、紙とえんぴつなど昔からある変わらない便利なものを適材適所で使い続けている。新しいものばかりに目をやるのではなく、先人たちが残した過去のグッドデザインを探すのもモノ選びの最高の楽しみのひとつなのだ。変わらずに残すべきもの、進化するもの、その両者を織り交ぜたもの、その中から自分に適した正解を導き出していく。モノ選びは楽しい。モノ選びはいつだって楽しい。

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