普段はまったくスーツを着る職業ではないので、当然革靴を履くこともなく、靴べらという道具を使うことはない。ただこの歳になってくると、とは言え年に2、3回は、冠婚葬祭などで革靴を履くことになる。そのときにだけ下駄箱の奥の場所から取り出して、その形、質感などを一通り味わってから使う。そしてまた下駄箱の奥の所定の位置にそっと戻す。まったく奇をてらっていない誠実な靴べら。年に2、3回だけ使う地味な楽しみ。
hirock
アパレルブランド「A BATHING APE®」のグラフィックデザインを経て2011年独立。表現の場を選ばないメディアクリエイターとしてのキャリアをスタート。ファッション誌GRINDでの連載をはじめメディア各方面にてグッドデザインアイテム、最新のガジェットを紹介。著書に『I LOVE FND ボクがコレを選ぶ理由』。
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