初めてきちんと「ラブコメ」を食す

岡宗さんといっしょにやっているラジオ番組「嗚呼! 花の帰宅部」のネットフリックスの紹介コーナーの今回のお題は、"LOVE"と"マスター・オブ・ゼロ"の2本。いわゆる「ラブコメ」と言われるジャンルのもので、食わず嫌いはよくないと思いつつもなかなか自分から進んで見るジャンルではない。いい歳したおじさんが他人の恋愛なんぞ覗いてもなんも面白くないだろうと。だけどお題として出されてしまったので、番組のために初めてきちんと「ラブコメ」を食すことになった。


結論から言おう。

素晴らしい。


この2本には「ラブコメ」を超えた作品のクオリティーがある。僕みたいに「ラブコメ」食わず嫌いの人にもぜひ見てもらいたい。どちらの作品も脚本が素晴らしく、役者の演技、会話劇にズンズンと引き込まれてしまう。核爆発や大統領が誘拐されるような刺激的な事件は何も起こらないが、主役たちの癖のある会話がいつの間にか癖になってしまう。そしてこの2本を同時に平行視聴したのも面白かったポイントで、設定や物語の基礎となる部分がすごく近いんだけど、製作者や役者が違うと、こんなにも違ったフレーバーになるのかと。LAとNYの文化の違いなんかを比べながら見るのも面白い。今回の平行視聴でネットフリックスの新たな楽しみ方を見つけてしまった気分だ。


こういう食わず嫌いなものっていくらネットフリックスのトップページで優秀なアルゴリズムでサジェストされてもなかなか食指が動かないのだが、やはりそこを突破できるのは人間の力。今回もネットフリックス飯島さんに強くプッシュされることがなかったら「ラブコメ」のこの2本を見ることは無かっただろう。


花の帰宅部 ラブコメ放送回

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hirock

アパレルブランド「A BATHING APE®」のグラフィックデザインを経て2011年独立。表現の場を選ばないメディアクリエイターとしてのキャリアをスタート。ファッション誌GRINDでの連載をはじめメディア各方面にてグッドデザインアイテム、最新のガジェットを紹介。著書に『I LOVE FND ボクがコレを選ぶ理由』。

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