「新しい時計」を表すスマートウォッチという言葉は良く耳にするようになったが、その定義は曖昧である。だけどなんとなく自分の中では最近ようやくその定義の輪郭が感じられるようになった。腕の上で時間を見ると同様にそれ以上の働きをする時計。そのほとんどは時計単体ではなくスマホ(iPhone)との連携によってもたらされる。そんな観点から言えば、スマートウォッチNO.1は、即答で、「Apple Watch」であると答えることになるだろう。iPhoneと一番上手に連動する時計を作れるのは間違いなく本家であるアップルに決っている。これは否定のしようのない事実だ。アップル以外の他社は、スマートウォッチ開発を素直に諦めるか、iPhoneを越えるスマホから開発しなければならない。
ただ、時計には、機能性ともうひとつファッション性という大切な役割を持っている。それを身につけることで、自分のステータスやファッションを表現できるアクセサリーのような役割だ。もしアップル以外のブランドがスマートウォッチを作るのだとしたら、この部分が残されたわずかな可能性ではないのかと思う。
今までにいくつものスマートウォッチと呼ばれる時計を試してきた。正直に言えば、今でも気に入って身に付けているスマートウォッチは、Apple WatchとDIESELの「DieselOn」だけだ。時計全体で言ったらもっとたくさんのものを愛用しているが、スマートウォッチだけで言うとこの2本に限定される。
Apple Watchの魅力は今さら言及するまでもないので割愛するが、「DieselOn」の魅力はまずそのデザイン。高級感とカジュアル感のバランスが非常にいい。そして文字盤が液晶ディスプレイではなくアナログ時計そのものであること。スマートウォッチとしての機能がいい意味で限定されているという点。この2つからもApple Watchとはまったく違うアプローチでスマートウォッチを作ろうとしている姿勢が伺える。限定された機能の中でも僕が最も評価しているのが「目標設定の機能」。予めアプリ上で好きな目標とそのゴールの回数を決めておけば、「DieselOn」のボタンをワンプッシュするたびにその数がカウントされていく。たとえば健康を考えて、毎日5回に分けて水を飲むとか、読書のタイミングを1日に3回は設けるとか、ちょっと応用的な使い方だと、だれかにありがとうと言った回数でもいい。複雑な操作は必要なく「DieselOn」に付いている3つのボタンのうちのひとつを押すだけだ。とにかく何かをカウントし記録するのにこのワンプッシュというのが何のストレスにもならず、最も簡単に行える方法なのである。
僕の場合は、「悪い思考に気づく」と設定し、車の横入りをされてしまったときや仕事でイライラしてしまったとき、家族間にあるささいなちょっとしたイラつきに気づいたときに、この「DieselOn」のボタンを押している。イラつきだけでなく、焦りや緊張する場面、あらゆる悪い思考のタイミングで押している。でも目的はその数を計ることではなくて、おまじないのようなもの。ボタンを押すことでそのネガティブな感情がすーっと消えて、スマホの中に封じ込まれていくようである。
多機能でも自分が面倒くさくって使いこなせなければ、それは何もないのと同じ。ひとつでも自分にとって役に立つものがあればそれは多機能ウォッチを上回る。これが僕がApple WatchとDIESELの「DieselOn」を愛用する理由だ。
https://www.diesel.co.jp/news/diesel/product/dieselon-20161125
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