ロト7は、数字との禅問答。内なる自分の声を聞き、考えを研ぎ澄ます


これはあまり友達にも話していないことなんだけれど、毎週ロト7を買っている。抽選日は毎週金曜日。金曜日は近くの映画館が会員デーで1000円になるので、それとならんでロト7の結果を調べるのが地味に大きな楽しみになっている。それだけで多少つらいことがあっても乗り越えられるのだから、我ながら自分の単純な性格に感謝している。


ロト7にはロマンがある。他の宝くじとの大きな違いは、自分で好きな数字を選べること。他の宝くじが印刷されて、売場に届いた瞬間に運命が決まってしまうとしたら、ロト7は、いつどこにいても抽選時間のぎりぎりまで、その運命を自分の手によって変えることができる(と思っている)。ハズレた場合でも数億円の当選番号が決まった数時間前に、その数字を選べる(可能性があった)自分がいたのだから、考えただけでも鳥肌が立つ。


僕の中での数字の導き方をいくつか紹介しよう。

一番簡単なのは、クイックピックと呼ばれる機械まかせの選び方。申し込みカードでクイックピックのマスをちょんっとチェックすると売場の機械が勝手に7つの数字を選んでくれる。それからデータを頼りにするのもいい。過去の抽選結果のデータベースをもとに、もっとも多く出ている数字、出ない数字、連続して出ている数字、その月に出やすい数字、などのデータ上の数字を、掛けあわせて、並べたり、消したりしながら導き出すのも楽しい。最後は自分のイマジネーション。目を閉じて、当たった自分を想像しながら頭の中に浮かぶ数字を掴んでいく。例えるならば大きな川があって、そこに流れている数字をすくい上げていくような作業。


週に一回、一日に数時間かけてこの作業をしていく。考えてみればけっこうな仕事となっているので、大きなアタリが出た時には、名刺の肩書に迷わず「宝くじ」と書き入れようと思っている。


まぁ当たらなくても、それが自分の楽しみになっているのでそれでいい。数字との禅問答、内なる自分の声を聞き、考えを研ぎ澄ます。もしかしたら少しはクリエイションの役に立っているのかな。


http://www.takarakuji-official.jp/know/loto/loto7/feature.html


hirock

アパレルブランド「A BATHING APE®」のグラフィックデザインを経て2011年独立。表現の場を選ばないメディアクリエイターとしてのキャリアをスタート。ファッション誌GRINDでの連載をはじめメディア各方面にてグッドデザインアイテム、最新のガジェットを紹介。著書に『I LOVE FND ボクがコレを選ぶ理由』。

https://twitter.com/h_vb