ユニクロ、VR、そして脳科学

これまでコレクションやアイテム単体では数多くの広告を展開してきたユニクロだが、今年から「ユニクロ初となるブランドキャンペーン」を行っているという。

18の国と地域で順次展開されている「LifeWear」キャンペーンは、日本ではすでにスペシャルサイトが立ち上がり、ユニクロの企業コンセプトを伝えるTVCMシリーズも続々と放送されている。

ユニクロといえば、「安かろう悪かろう」というイメージが先行していたり、「部屋着としてはいいが、外に着て歩くにはちょっと…」という意見があったりと、企業価値とブランドイメージに大きなギャップがあることは否定できない。

そんなユニクロは、2013年に服づくりのコンセプトを一新させる「LifeWear」という言葉をつくりだした。名付け親は、柳井正氏だ。

LifeWearのステートメントは公式サイトで確認できるのだが、そこにこんな文言がある。


私たちは、あなたの日常をより快適にするために、
さらに暖かく、さらに軽やかで、より良いデザインへと、
イノベーションを起こし続けるのです。


僕はこのステートメントを読んだとき、ユニクロがただのファッションブランドではなく、本当は「テクノロジー企業」なのかもしれないと思い直した。

ユニクロにとっては「ファッション」という要素は、服を構成する一部分にすぎず、彼らは「より快適で、さらに暖かく、さらに軽やか」な服で、わたしたちの“日常”に貢献していこうとしている。それは、テクノロジーの力で世界を良くしようとするテック企業の考え方とすごく似ている気がした。

なぜこんなことを考えていたかというと、先日ギズモードのお仕事で「株式会社ハコスコ」の代表で脳科学者でもある藤井直敬さんにインタビューしたからである

企画内容は、ユニクロの「私たちはなぜ服を着るのだろう」に対する意見を著名人から伺うというもの。しかし、普通に聞くだけではギズモードらしくないということで、質問内容を「“VRの世界で”、人は服を着るのだろうか?」に変更してインタビューを行った。


「服は、バーチャルの世界でどんな役割を持つというのか?」


こんな奇妙な質問を、脳科学とVRの観点からまじめに語れる藤井さんはさすがだと思う。僕も彼の言葉をできるだけわかりやすく書いたつもりなので、「VRってなんぞや?」という人にこそ読んでもらいたいです。

個人的には、インタビュー中に藤井さんから飛び出した「人は疑うことよりも、信じることで生きていける」という名言は、VRの話を飛び越え、ビジネスや恋愛にも当てはまる気がする。知らなくてもまったく困らないけど、知っているとちょっと世の中の見方が変わる。そんなインタビュー記事です。

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稲崎吾郎

神戸生まれ。アート/インテリア/ライフスタイルを中心に様々なメディアで執筆活動を続けるフリーランスライター。数十社以上のメディアでの企画/編集/執筆にかかわり、オウンドメディアや記事広告で制作したタイアップ記事は数百本以上。幅広いフィールドで執筆活動を続けている。